狭小住宅を注文住宅で建てると費用は割高?10坪や15坪の事例

狭小住宅を注文住宅で建てると費用は割高?10坪や15坪の事例

都心に住まいを建てる場合、土地の価格が高いこともあり、10~20坪程度の狭小住宅を検討する方も多いでしょう。また、住宅購入資金を貯めきれていない若い世代が狭小住宅を建築するケースも増えているようです。しかし、一般的に狭小住宅は土地の狭さの割に建築費がかかるといわれています。狭小住宅を注文住宅で建てる場合の費用の現状と割高の理由についてまとめました。

「土地面積が狭い=建築費が安い」は間違い?実は…狭小住宅は建築費用は割高!

狭小住宅には、はっきりとした土地の広さについての規定はなく、ほとんどが20坪以下の物件を指すことが多いようです。敷地が狭小地なのでどうしても縦に細長い住宅になりがちで、ペンシルハウスと呼ばれることもあります。狭い土地の利用であるため、変則的な形の土地や周囲を家に囲まれているケースも多いです。「土地面積が少ないから建築費が安い」というのは誤りで、一般的な注文住宅に比べると3割増し程度は割高になるようです。

具体的な坪単価で見てみると、有名ハウスメーカーで10~15坪の狭小地に注文住宅を建築する場合には、木質パネル工法や木造軸組工法で坪単価60万円台から、重量鉄骨であれば70万円台からというのがメーカーが提示している相場のようですね。しかし、これはあくまで最低の価格であり、二階建てを想定した最低ラインの住宅という設定です。実際の事例を見てみると、10.4坪の土地に木造工法(SE工法)で建築したケースの本体価格は2,000万円になっています。そうなると坪単価は196万円にも跳ね上がります。この差は何かといえば、ずばり「三階建てにしたこと」です。このように狭小住宅は土地の狭さにもかかわらず、実際の建築費は通常の大きさの注文住宅と変わらないどころか、返って高くなることが多いです。さらにグレードをあげれば、もっと高い価格にもなることも十分ありえるでしょう。

狭小住宅の建築コストが高くなる理由とは?

狭小住宅建築には建築費が高くなるさまざまな理由があります。第一に、普通の住宅に比べて建築工事の難易度が高いということがあげられます。敷地が狭いと言うことは、資材の運搬や足場設営などに困難をともなうことが多いです。そのため建築にかかる日数も増え、その分余計な人件費がかかることになります。また、別の場所を借りて資材置き場を確保する必要もあるでしょう。メーカーよってはそれらの手間に関する料金を「狭小地割増金額」として、まとめて見積書に別途記載するケースもあるようです。

建築会社側の利益問題も建築費の増加につながる要因です。一般の大きさの住宅も狭小住宅も、基本的に家づくりに必要なものは変わりません。玄関ドアや各部屋のドア、階段なども同じですし、バスルームやトイレ、キッチンなど水回りの製品にも違いはありません。そうなると、坪数が少ない方が設備面での原価回収は困難になるといえるでしょう。その分を坪単価を上げることで補てんするという現状もあります。また、狭さを補うために三階建て住宅にすれば、当然ですが設備費は余計にかかることになります。

さらに狭小住宅の狭さを補うために3階建てや4階建てにする場合には、建築基準法の規定から地域によっては耐火建築物にする義務が発生することもあります。耐火建築物であるためには、柱や壁などの主要構造を防火仕様にしなくてはなりませんし、それ以外にも各階に防火扉を設置するなどの必要性が出てきます。これらの経費は高額なのでかなりの負担増を覚悟する必要があるでしょう。狭小住宅は都市部に建てることが多いため、その地域が防火地域や準防火地域かどうかなどは必ず事前に確認しておく必要があります。

狭小住宅ならではの工夫がコスト高の要因になる

また、狭小住宅ならではの工夫にコストがかかるというのも割高になる理由の1つです。たとえば、狭小住宅の場合はどうしても縦長のつくりになるため、耐震強度を保つ必要があります。だからといって、あまり耐震に費用をかけすぎると予算が不足してしまうので、折り合いの付け方が悩みどころだといえるでしょう。また、狭小ならではの欠点を補うために生活動線や収納の確保には気を遣う必要もありますが、あまりにこだわりの強い設計にすればするほど費用が高くなるという現実もあります。ロフトや壁面収納などで、収納スペースを増やす工夫をするにも当然それなりのコストがかかります。

お隣の住宅との距離が近いことから防音対策が必要な場合もあるでしょう。場合によっては排水管などの配置に気を配ったり、壁の内部に遮音性の高い素材を多めに使用したりなどの配慮が必要になるかもしれません。また、駐車スペースの確保として1階部分にビルトインガレージをつくるとすれば、通常の駐車場よりもかなりコストがかかります。

これらのコストを全体的に抑えるためには、狭小住宅の施工経験が豊富なハウスメーカーを選ぶと良いでしょう。ローコストで建築するためのノウハウを持っている会社であれば、建築費をある程度抑えることも可能です。実際の施工例を見学し、見積りを十分比較検討した上でメーカーの選択をすると良いですね。一方で、狭小地の利用で土地の価格を抑えたのですから、「満足のいく住宅にするためには建築にある程度コストがかかるのは仕方がない」という考え方もあります。全ての条件を良く考慮した上で、理想のマイホームを手に入れましょう。

狭小住宅の建築費が割高になるのには理由がある

狭小住宅の建築費が割高になるのには、さまざまな理由があります。たとえば、普通の住宅に比べて工事の難易度が高いことや、坪数が少ないので設備面での原価回収が難しく坪単価が上がるということがあります。また、都市部の住宅建築では耐火建築物にする義務も発生しがちですし、収納や防音、駐車スペースなど、狭小住宅ならではの工夫にコストがかかることも要因になっています。